過食障害(過食症)の概要と対策
定義
過食障害は、食べ物に対する依存症の一種で、制御できない大量の食事(過食エピソード)を繰り返す状態です。過食エピソード中は強い圧迫感や精神的な不安が伴い、食べ終わった後には強い罪悪感や抑うつ感が生じることが多いです。
原因
過食障害は単に食べ物への欲求だけでなく、感情的な要因が大きく関与しています。多くの患者は、感情を隠す手段、心の空虚を埋める手段、日常のストレスへの対処法として食べ物を利用します。「十分でない」自分への罪悪感や、肥満への恥、低い自尊心が食べ過ぎを引き起こす要因となります。愛情や承認を求める欲求が満たされないと、過食に走りやすくなります。
症状・サイン
過食障害の人は、空腹でなくても大量の食事を摂り、速く食べ続け、満腹感を感じても止められません。恥ずかしさから一人で食べることが多く、食後に自己否定的な言葉や嫌悪感、罪悪感を抱きます。また、食べ物をスーツケースやクローゼットに隠す、体重が原因で社会的・職業的な失敗を自分のせいにする、食べ物を唯一の友人とみなすといった行動も見られます。
主な特徴
過食障害の患者は過体重であることが多く、体重の増減を経験したことがある人が多いです。自分の食行動が異常であることは認識していますが、男性患者の割合も高いです。治療せずに放置すると、糖尿病、心臓病、高コレステロール、うつ病などの重篤な合併症を招く恐れがあります。長期的には骨粗鬆症、脳卒中、関節炎、腎臓病などのリスクも上昇します。
治療法
適切な支援を受ければ回復は可能です。米国ペンシルベニア大学の調査によると、専門的な治療を受けた過食障害患者の約80%が完全回復または大幅な改善を示しています。過食障害は複雑な感情問題の身体的表れであるため、治療は食行動だけでなく、根底にある感情的な葛藤にも焦点を当てる必要があります。認知行動療法や心理カウンセリング、栄養指導が組み合わさった包括的なアプローチが推奨されます。
