親指印角膜ジストロフィー(コーガン症候群)

親指印角膜ジストロフィー(コーガン症候群、またはマップ・ドット・プリントジストロフィー)は、角膜上皮層に異常が生じ、角膜表面が指紋のように見える角膜ジストロフィーです。上皮細胞の剥離やボウマン膜の裂傷により、結膜充血や視力低下が起こります。

原因

親指印角膜ジストロフィーは必ずしも遺伝性ではなく、主に40歳以上で発症します。ジストロフィーという名称は遺伝的傾向を示唆しますが、コーガン症候群は例外です。年齢とともに症状は進行しやすく、角膜の5層のうち上皮層が肥厚・不均一になり、結合が弱まって角膜侵食を引き起こします。

症状

主な症状は光過敏、眩しさ、視力低下、視界の変動、角膜表面の凹凸です。朝に特に刺激感や痛みが強くなることが多く、結膜充血や眼球が擦られたような感覚、異物感を伴います。症状緩和のために軟膏や点眼薬が処方されることがあります。

診断

診断はスリットランプ顕微鏡で角膜層を高倍率で観察し行います。虹彩、角膜、レンズなど前眼部の評価に加え、硝子体や眼底も確認できます。角膜の乱視や形状変化を評価するために角膜トポグラフィーが用いられ、角膜曲率の詳細な画像が得られます。

治療法

人工涙液(潤滑剤)

治療はジストロフィーの進行度に応じて選択します。人工涙液で角膜表面を潤し均一に保つことが最も基本的な対策で、刺激感を軽減します。特に就寝中の乾燥を防ぐために夜用の潤滑剤を使用すると、朝の目の不快感が改善されます。

レーザー手術

一部の患者にはレーザー治療が適応されます。レーザーで上皮層を除去し、平滑な角膜表面を形成します。除去後の上皮は数週間で再上皮化し、元の層と再結合します。

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