Stargardt病(先天性黄斑ジストロフィー)
概要
Stargardt病は、遺伝性の若年性黄斑変性疾患で、症状は加齢性黄斑変性と似ています。米国黄斑変性財団によると、10,000人の子どもに1人の割合で発症します。若年で発症し、根本的な治療法はありませんが、適切な支援を受ければ充実した生活が可能です。
歴史
1909年にドイツ眼科医カール・スタルガートが最初に報告したことに始まります。1963年に「fundus flavimaculatus」と呼ばれる類似疾患が報告され、1976年にO.B. Hadden と J.D. Gass が同一遺伝性疾患であることを示しましたが、現在でも研究者の間で区別すべきとの意見があります。
症状
発症は6歳から20歳頃が多く、中心視野が徐々に失われますが、周辺視野は比較的保たれます。進行に伴い色覚異常や視界の歪み、ぼやけた視覚が現れ、眼鏡での矯正は効果がありません。
原因
1997年に原因遺伝子が特定されました。Stargardt病は常染色体優性遺伝または常染色体劣性遺伝で遺伝します。劣性遺伝の場合、両親がそれぞれ保因子を持つと子どもが25%の確率で発症し、他の子どもは保因者となります。
診断・検査
初期段階では網膜は正常に見えますが、進行すると黄斑部に黄色い斑点が現れ、後期には網膜が変性します。診断にはアムスラー格子、色覚検査、電気診断(ERG)などが用いられ、病状の評価にも役立ちます。
治療法
現時点で根本的な治療は確立されていませんが、紫外線から眼を守るために常にサングラスを着用し、強い光を避けることが推奨されています。これらは進行抑制には直接効果がなく、あくまで保護策です。
今後の展望・配慮点
遺伝子の解明により、将来的な治療開発への期待が高まっています。現段階では低視力支援サービスや生活環境の調整(拡大鏡、文字サイズの変更など)を活用し、患者と家族が自立した生活を送れるよう支援することが重要です。
