びらん性食道炎の治療法とは
びらん性食道炎とは
食道は喉と胃をつなぐ筋肉の管です。食道下部の括約筋が食べ物の流入を調整し、胃酸や胆汁、膵液が食道に逆流しないようにしています。これらの消化液が食道粘膜に触れると、粘膜が損傷し、放置するとびらん性食道炎となり、食道壁に潰瘍や侵食が生じます。主な症状は喉の焼けつくような痛み、嚥下障害、胸焼け、逆流、便や嘔吐物に血液が混じることなどです。治療方針を決める前に、原因疾患の診断が必要です。
診断方法
胃食道逆流症(GERD)はびらん性食道炎の主な原因ですが、放射線や化学物質、運動機能障害、細菌感染、長期嘔吐、横隔膜の裂孔(裂孔ヘルニア)なども原因となります。診断には内視鏡検査で食道内壁を直接観察し、必要に応じて組織サンプルを採取します。また、食道筋の圧力を測定するマンノメトリーやバリウムX線検査も併用されます。
薬物療法
軽度のGERDは制酸剤(例:タムス)やH2ブロッカー(例:タガメット)で対処できます。びらん性食道炎を伴う場合は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)(例:プレバシッド、ネキシウム)が主に処方され、胃酸分泌を抑制します。必要に応じてH2ブロッカーとPPIを併用したり、ステロイドで炎症を抑えることもあります。細菌感染が確認された場合は抗生物質が使用されます。運動機能障害に対しては、長期的に有効な経口薬は少ないですが、ボツリヌス毒素注射で食道壁の筋肉を緩め、嚥下を改善することがあります。注射は永久的な解決策ではなく、年に1回程度の再施術が推奨されます。
外科的介入・その他の手技
食道の狭窄や運動機能障害がある場合、バルーン拡張術(空気で膨らませた細いチューブを食道内に挿入し、徐々に拡げる)で食道通過部を広げることがあります。裂孔ヘルニアは、横隔膜に穴ができて胃が食道上部に圧迫される状態で、手術による修復が最も効果的です。胃食道逆流症の手術としては、噴門形成術(ファンドオピレーション)が一般的で、胃上部(噴門)を食道下部に巻き付けて固定し、逆流を防ぎます。
生活習慣の改善
医師は日常生活での改善点を指示します。具体的には、辛い食べ物や酸性飲料を避け、タバコやアルコールを控えることが重要です。1日5〜6回の少量で消化に負担の少ない食事にし、柔らかく飲み込みやすい食品を選びましょう。ストローを使って一度に大量の液体を飲むのを防ぎます。また、寝るときはベッドヘッドを15〜20センチ上げることで重力を利用し、逆流を抑えます。これらのシンプルな対策で回復が早まり、再発予防につながります。
