Turner症候群の女性におけるヒト成長ホルモン(HGH)治療とは?
Turner症候群とは
Turner症候群は、発見者であるヘンリー・ターナー博士にちなんで名付けられた染色体異常で、X染色体が1本欠損することが原因です。通常、女性はXX、男性はXYですが、男性はY染色体だけでは生存できません。一方、女性は単一のX染色体でも生存できるため、Turner症候群は女性にのみ見られます。
主な症状
最も顕著な症状は成長が遅く、思春期のスパートがほとんど起きないことです。その結果、子ども時代から大人になるまで身長が低く、治療を受けない場合の平均身長は約147cm(4フィート8インチ)です。また、卵巣機能が低下し、二次性徴が不十分で不妊になることが多いです。
ヒト成長ホルモン(HGH)とは
ヒト成長ホルモンは下垂体から自然に分泌されるホルモンで、FDA(米国食品医薬品局)によりTurner症候群の治療薬として承認されています。合成HGHは、下垂体が十分にホルモンを産生できない患者に注射され、成長促進だけでなく、筋萎縮や外傷回復など他の医学的状態にも効果があります。
治療の流れ
女児の身長が年齢相当の5パーセンタイル以下になると、医師は通常HGH治療を開始します。場合によっては、アナボリックステロイドや思春期にエストロゲンを併用することもあります。治療開始時期やホルモンのバランス、投与量によって効果は異なり、2〜15センチメートルの伸長が期待できる一方、全く反応しないケースもあります。
治療上の留意点
成長期が続くのは骨端線が閉じる(骨端融合)までです。エストロゲンは骨密度を高め、骨端融合を促進するため、過剰になると成長が止まります。そのため、医師・患者・家族は身長増加と女性化のバランスを慎重に協議し、目標を共有する必要があります。
