テストステロン低下の症状と対策
テストステロンとは
テストステロンは性腺の正常な発育を司るステロイドホルモンで、筋肉増強、骨密度維持、赤血球産生促進など多くの生理作用があります。男性の思春期には声変わりや体毛の増加といった男性化作用をもたらします。
低テストステロンの原因
- 先天性疾患(クラインフェルター症候群、カールマン症候群)
- 精巣、視床下部、下垂体の外傷や手術
- 腎不全、糖尿病(1型・2型)、肝硬変、高血圧、AIDS、サルコイドーシス、梅毒、髄膜炎、流行性耳下腺炎などの疾患
- 加齢(25歳以降、年率約2%の減少)
- 特定の薬剤、化学療法・放射線治療、過度の飲酒、慢性的なストレス
主な症状
低テストステロンの男性は以下のような身体的・精神的症状を訴えることがあります。
- 性欲低下、勃起不全、皮膚の薄さ
- 骨粗鬆症、軽度の貧血、慢性疲労
- 筋肉量減少と体脂肪増加
- 血中コレステロール異常(LDL増、HDL減)による高血圧・動脈硬化リスク上昇
- うつ、集中力・記憶力低下、全般的なウェルビーイングの低下
診断方法
症状が疑われる場合は医師の診察が必要です。診断は以下を基に行われます。
- 問診(勃起の有無・頻度、性欲、睡眠時勃起など)
- 血清テストステロン測定(朝の血液が推奨)
- 性腺刺激ホルモン(LH)測定
- 骨密度検査や体組成評価
先天性疾患や下垂体機能障害が除外された後、テストステロンが低くLHが高い場合はホルモン補充療法が検討されます。
治療(テストステロン補充療法)
テストステロン補充療法は外部からテストステロンを投与し、症状の改善を図ります。投与方法は以下の通りです。
- 筋肉内注射(エステル型・シクロデカノール型)
- 経皮パッチ、クリーム、スプレー
- 口腔内貼付剤(ストリアント)
- 経口錠剤(肝臓への負担が大きいため推奨されないことが多い)
製剤ごとに作用時間が異なるため、投与間隔や用量は個別に調整します。効果は投与開始後数週間で現れ、長期的に継続することが一般的です。
注意点・副作用
テストステロン療法には以下のような副作用が報告されています。
- にきび、皮脂分泌増加、声の低下、体毛・顔面毛の過剰増殖
- 体液貯留、血中コレステロール変動、勃起不全
- 精巣萎縮、前立腺肥大、女性化乳房(男性乳房肥大)
- 経口投与は肝機能障害のリスクが高いため、医師の管理下で使用が必要
副作用が現れた場合は速やかに医師に相談し、投与量の調整や別の製剤への変更を検討します。
