副腎摘出の影響と対策

副腎の構造と機能

人間の体には様々なホルモンを分泌する腺が多数存在します。その中で副腎は腎臓の上に位置し、内側の髄質(副腎髄質)と外側の皮質(副腎皮質)の二層構造になっています。各層は異なるホルモンを産生し、脳の下垂体からの指令を受けて働きます。

副腎髄質の役割

副腎髄質はアドレナリン(エピネフリン)などのカテコラミンを血流に放出し、緊急時の「闘争・逃走」反応を司ります。

副腎皮質の役割

副腎皮質はコルチゾール、アルドステロン、性ホルモン(テストステロン)などを産生し、脂質・炭水化物・タンパク質の代謝、血圧・電解質バランス、性機能の調整に関与します。

副腎摘出(アドレノエクトミー)について

副腎は重要なホルモンを分泌しますが、腫瘍などの疾患がある場合に部分的または全体的に摘出することがあります。摘出は主に腹腔鏡手術で行われ、対象は極めて稀な副腎癌です。

片側摘出の場合

片側の副腎だけを残すことで、通常はホルモン補充なしに日常生活を送ることが可能です。

両側摘出の場合

両側の副腎を全て除去した場合は、ホルモン補充療法が必須となります。コルチゾールやアルドステロンなどを外部から投与しなければ、糖尿病、肥満、高血圧、代謝障害などの重篤な合併症が起こります。

全摘出の影響と予後

副腎全摘出は副腎癌の治療の一環として行われますが、手術後はホルモン欠乏に加えて、化学療法や放射線療法の副作用にも対処しなければなりません。ホルモン補充療法を受けても、5年生存率は低く、統計では治療を受けた患者の65〜90%が5年以内に死亡するとされています。

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