ヒトパピローマウイルス(HPV)とは何か?
ヒトパピローマウイルス(HPV)とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、生殖器系に最も多く見られるウイルス感染症です。世界保健機関(WHO)によれば、ヒトに感染するHPVは100種類以上存在し、そのうち40種類以上が性行為を通じて感染します。
感染経路
HPVは皮膚と粘膜の直接接触により広がります。主な感染シーンは膣・肛門・口腔内での性行為ですが、性具の共有や、感染者の体液(精液・膣分泌液)に触れることでも感染する可能性があります。
主な罹患部位と関連疾患
HPVは性器いぼ(尖圭コンジローマ)の原因として最も知られていますが、以下のような前癌状態やがんを引き起こすこともあります。
- 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN) – 子宮頸がんの前段階
- 膣上皮内腫瘍(VIN) – 膣がんの前段階
- 外陰部上皮内腫瘍(VIN) – 外陰がんの前段階
- 肛門上皮内腫瘍(AIN) – 肛門がんの前段階
- 口咽頭がん – 頭頸部がんの一種
主な症状
HPV感染の代表的な症状は次の通りです。
- 性器いぼ(小さな突起や粒状の病変)
- 声のかすれや声質の変化
- 嚥下困難(飲み込みにくさ)
- 性交時の疼痛
- 膣や肛門からの出血・分泌物
ただし、多くの感染者は症状が出ないまま経過し、無症状のまま感染を拡げることがあります。
自然経過と持続感染
HPVは非常に一般的な感染症で、ほとんどの人は数か月から数年で自然にウイルスを排除します。とはいえ、一部の人はウイルスが体内に残り続け、性器いぼやがんへと進行するリスクが高まります。
予防策
HPVから身を守るために有効な対策は以下の通りです。
- HPVワクチンの接種(予防接種は思春期から成人初期に推奨)
- 性行為時のコンドーム使用
- 性的パートナーの数を適切に管理する
- 性器いぼが確認された相手との性交を避ける
症状が疑われるときは
上記のような症状や異常を感じたら、速やかに医療機関で検査・診断を受けましょう。早期発見・治療ががん予防につながります。
