天疱瘡(ペムフィグス・ヴルガリス)について
天疱瘡は、自己免疫反応により皮膚や粘膜に水疱ができるまれな疾患です。放置すると致命的になることがあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
原因
免疫系が皮膚や粘膜の特定タンパク質に対して抗体を産生することで発症します。稀に、血圧降下薬やペニシラミンなどのキレート剤が引き金になることがあります。
症状
- 約半数の患者は、まず口腔内に痛みを伴う水疱ができ、これが破れると皮膚にも同様の水疱が出現します。口内の水疱は嚥下や食事を困難にします。
- 皮膚が正常でも、指や綿棒で軽くこすると皮膚がはがれやすくなることがあります。
治療
重症のやけどと同様に管理され、入院が必要になることがあります。主な治療は以下の通りです。
- 静脈点滴による輸液と、口腔潰瘍がある場合は経管栄養。
- 口腔内の痛み緩和のためのロゼンジや、感染防止のための抗生物質(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど)。
- 皮膚の潰瘍や水疱を保護するための軟膏やローション。
リスクが高い人
ユダヤ系や地中海沿岸地域の人々に発症率が高いとされています。男女比は概ね同等ですが、思春期は女性にやや多く見られます。発症年齢は50歳から60歳が最も一般的です。
死亡率
適切な治療を受ければ大多数が回復しますが、全症例の5〜15%が致死的です。高齢者や重症例では、治療薬の高用量投与に伴う合併症が死亡リスクを高めます。
