フックワーム(鉤虫)に関する解説

形態的特徴

ヒトに感染するフックワームは主に2種、Necator americanusAncylostoma duodenaleです。N. americanus は米国内で最も頻繁に報告されています。成虫は細長い新月形で、全長は5〜13mmです。

感染しやすい人

フックワームは誰でも感染のリスクがあります。世界では10億人以上が現在も感染しており、衛生環境が整った米国では発症率が低いものの、開発途上国では依然として深刻な問題です。

感染予防

フックワームの卵は湿潤で涼しい土壌で孵化し、宿主外で最大1か月生存します。主な侵入経路は足裏で、裸足で芝生や土の上を歩かないことが最も簡単な予防策です。また、手のひらからも侵入するため、園芸作業時は手袋を着用しましょう。糞便の適切な処理・除去も感染サイクルを断ち切る重要なポイントです。

体内での動き

フックワームは皮膚から侵入後、血流に乗って肺へ運ばれます。肺で数日間成熟した後、気道へ移動し、咳や嚥下によって小腸に到達します。小腸に付着した成虫は宿主の血液を吸い、最大2年生存します。産卵された卵は便とともに体外へ排出されます。

症状

軽度の感染や鉄分が豊富な食事をしている人はほとんど症状が出ません。侵入部位にかゆみを感じることがありますが、寄生虫が腸壁に大量に付着すると、下痢、血便、膨満感、吐き気、腹痛などが現れます。また、血液を吸うことで貧血を引き起こし、皮膚が蒼白になる、倦怠感・疲労感が強くなるといった症状が見られます。

治療法

軽症や無症状の場合は治療を行わないこともありますが、重症例では以下の薬剤が有効です。

  • アルベンダゾール(商品名:アルベンザ)400mgを1回服用。
  • メベンダゾール 100mgを1日2回、3日間。
  • ピラントエルパモエート(商品名:Pin‑X)体重1kgあたり11mgを1日1回、3日間。

貧血が認められる場合は、医師の指示に基づき鉄剤の処方やタンパク質摂取の増加を勧めます。

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