初期感染

ワクシニアウイルスは、生ワクチンとして天然痘予防に使用される弱毒化ウイルスです。ワクチン接種は意図的な感染であり、接種部位が完全に治癒する前に触れると、ウイルスが皮膚や衣類、包帯などを介して他者に広がることがあります。このような偶発的な接触は「誤接種」と呼ばれます。

ウイルスは宿主の許容細胞の細胞膜と融合し、細胞内部へ侵入します。

細胞内段階

ウイルスは細胞質に入った後、核へ移動し、そこでウイルスDNAを放出します。核内でゲノムが複製され、成熟したウイルス粒子が形成されます。完成したウイルスは細胞から放出され、周囲組織へ拡散し、同様の過程を繰り返します。

感染期

ウイルスが増殖すると、接種部位に水疱性病変が現れます。この水疱は破裂し、体液中に生ウイルスを含むようになります。開いた傷口に触れた人は容易に感染します。

症状と徴候

主な症状は接種部位の水疱で、通常1〜2週間続きます。水疱は乾燥してかさぶたとなり、約3週間で自然に剥がれ、特徴的な瘢痕を残します。軽度の発熱、頭痛・関節痛、発疹が伴うこともあります。

診断と治療

水疱から採取した検体でウイルスの有無を検査することで診断できます。臨床症状と合わせて判定することが一般的です。

多くの場合、症状は自然に改善しますが、重篤な反応が見られる場合は以下の薬剤が使用されます。

  • ワクシニア免疫グロブリン(VIG)
  • シドフォビル