大腸菌感染の兆候と対策
概要
大腸菌(大腸桿菌)属のコロフィル菌は、温血動物の糞便に常在し、飲料水や食材の汚染指標として用いられます。大部分は無害ですが、O157:H7 などの病原性株は致死性の毒素を産生し、毎年約6万人が感染し、約60人が死亡します。
誤解されがちな点
多くの人は大腸菌は「加熱が不十分な肉」からしか感染しないと考えがちですが、2008 年ミシガン州で発生した氷山レタス事件が示すように、汚染された土壌や肥料、作業者の手から野菜にも容易に付着します。現在では、生野菜からの感染リスクが肉より高いこともあります。
主な症状
代表的な症状は血性下痢(出血性結腸炎)、嘔吐、腹痛、悪心です。発熱は必ずしも伴いません。小児・高齢者・免疫抑制患者では、腎不全や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすことがあり、腎機能が永続的に損なわれることもあります。
治療法
特効薬はなく、主に対症療法が中心です。十分な水分補給と栄養管理が重要です。HUS を発症した場合は入院し、電解質・体液バランスの管理や透析が必要になることがあります。軽症例は自宅での安静と経口補水で回復します。
予防・対策
感染は糞口経路で広がります。以下の対策が有効です。
- 食事前の手洗いを徹底する。
- 野菜や果物は流水でよく洗い、可能であれば1茶匙の塩素を1クォートの水に溶かした薄めた漂白剤水に15分浸す。
- 加熱が必要な食材は中心温度160°F(約71℃)まで加熱する。
- 調理器具やまな板の交差汚染を防ぐ。
- 下痢患者と浴槽やトイレを共有しない。
- 乳児のオムツ交換時は使い捨て手袋を着用する。
- 水源が不明な場合はボトルウォーターを飲む。
