黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・オーリウス)感染症の症状と原因
黄色ブドウ球菌は「スタフ」とも呼ばれ、軽度の皮膚トラブルから命に関わる感染症まで多様な症状を引き起こす細菌です。代表的な菌種はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や金黄色ブドウ球菌で、いずれも皮膚や体内のさまざまな部位に感染します。
皮膚にできる赤い丘疹(ブンプ)
スタフ感染の初期症状として、小さな赤い丘疹が現れます。これらは時にクモの噛み跡やニキビに似ており、感染が進行すると膿がたまった袋(膿胞)になることがあります。膿胞が破裂すると、潰瘍や生肉のような傷口になることもあります。
膿痂疹(インペティゴ)
インペティゴは皮膚がかさぶた状になる症状で、黄色やハチミツ色の膿が小さな丘疹の上に現れます。スタフによるインペティゴは大きく分けて「水疱型」と「非水疱型」の2種類があります。水疱型は痛みを伴う水疱ができ、非水疱型は膿がたまるだけの比較的軽い症状です。
全身に広がる重篤な感染症
スタフが血流に乗って全身に広がると、心臓の弁、肺、血液、脳、関節、傷口などさまざまな臓器を侵します。この場合、発熱や感染部位近くの皮膚炎がみられ、速やかな医療処置が必要です。
菌の保菌と感染拡大
メイヨークリニックによると、約3人に1人は鼻腔や皮膚にスタフ菌を保有していますが、必ずしも症状が出るわけではありません。保菌者は「コロナイゼーション」状態と呼ばれ、切り傷や創傷を通じて菌が体内に侵入すると感染リスクが高まります。特に、カミソリやタオルなどの個人用衛生用品を共有すると感染が拡大しやすく、免疫力が低下している人は重症化しやすいです。
感染リスク要因
スタフは密閉された環境での拡散が速く、刑務所、介護施設、病院、保育園、学校、スポーツ施設などで集団感染が起こりやすいです。また、シャントやカテーテルなどの侵襲的医療機器を使用している場合も、菌が体内に入りやすくなります。
