神経嚢虫症の治療ガイド

神経嚢虫症とは

神経嚢虫症は、豚肉条虫(Taenia solium)の幼虫が中枢神経系に感染する病気です。世界で最も多くのてんかんを引き起こす寄生虫感染症として知られています。調理不十分の豚肉に含まれる嚢虫や、糞口感染で卵を摂取することでヒトに感染します。

治療ステップバイステップ

  1. 症状緩和

    単一嚢胞で再感染リスクが低い軽症例は、主に症状を緩和する対症療法が中心です。症状は死滅しつつある嚢胞に対する宿主の免疫反応から生じるため、必ずしも抗嚢虫薬は必要ありません。

  2. 抗痙攣薬の使用

    発作が頻発する場合や嚢胞が多数ある場合は、カルバマゼピン(テグレトール)やフェニトイン(ジラントン)などの抗てんかん薬で発作を抑制します。多くの患者で効果が確認されています。

  3. 抗寄生虫薬治療

    活動性嚢胞が認められる場合は、アルベンドゾールまたはプラジカンテルを投与します。ただし、抗痙攣薬を先に開始し、嚢胞死に伴う炎症を抑えるためにステロイド併用が推奨されます。

  4. 外科的介入

    薬物療法で効果が得られない、または脳室内嚢胞が水頭症を引き起こす場合は、神経外科手術が検討されます。嚢胞除去やシャント装置の設置が主な手術方法です。

  5. 眼科的評価

    視覚症状がある場合は、眼底検査を実施し、網膜下嚢胞の有無を確認します。感染源を特定・除去することで再発防止につながります。

詳しくは、WHOの神経嚢虫症ファクトシートやCDCの条虫症ページをご参照ください。

感染症 - 関連記事