炎症性腸疾患(IBD)の症状と概要
原因
IBDの正確な原因は不明ですが、腸の粘膜に存在する免疫細胞が関与しています。通常は細菌やウイルスを排除しますが、IBD患者ではこれらの細胞が正常な腸細胞も攻撃し炎症を引き起こします。喫煙や遺伝的要因もリスクを高めると考えられ、患者の10〜20%に家族歴があります。
症状
主な症状は下痢、腹痛、直腸出血です。頻繁な排便欲求や体重減少、発熱も伴うことがあります。口内や皮膚の潰瘍、目の充血や視力低下、関節痛も見られます。クローン病では肛門周囲に膿瘍ができることがあります。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は大腸に限定された炎症で、直腸出血や排便欲求、腹痛が特徴です。炎症は腸壁の内層に留まるため、外科的に大腸を全摘除すれば根治が可能です。
クローン病
クローン病は小腸や大腸に不規則に炎症が現れる慢性疾患で、治癒は難しいものの管理は可能です。「スキップ病変」と呼ばれる正常部位と炎症部位が交互に現れます。瘻孔や狭窄といった合併症が起こり、瘻孔は膿瘍、狭窄は腸閉塞を引き起こすことがあります。
診断と治療
診断は問診・身体検査に加え、血液検査で白血球増加や炎症マーカーを確認し、便検査で感染を除外します。内視鏡検査が最も確実で、腸粘膜を直接観察できます。治療は炎症抑制を目的としたステロイドや免疫調整薬が中心で、薬物で効果が不十分な場合は手術が検討されます。
