過剰な発汗に効く薬はありますか?

手足、顔、腋下の過度な発汗は医学的に「多汗症」と呼ばれ、人口の約3%が罹患しています。多汗症自体は健康に害はありませんが、患者にとっては大きな不快感と社会的な恥ずかしさを伴います。治療法には内服薬、ボトックス注射、外科手術などがあります。

タイプ

  • 一次性多汗症は、他の疾患や薬の副作用と関係なく、過剰な発汗が起こる状態です。主に子供時代や思春期に発症し、手・足・顔・腋下など体の特定部位に限局します。睡眠中は発汗しません。

  • 二次性多汗症は、基礎疾患や薬剤の副作用として発汗が増加するものです。睡眠中でも発汗が見られ、全身に広がることがあります。

予防・治療法

  • 治療は、制汗剤やパウダーといった外用薬から外科手術まで様々です。まずは外用薬が第一選択で、多くの人に効果があります。
    イオン導入療法は、汗が出やすい手足に対して水中で微弱な電流を流す方法で、医師の指導のもと20〜40分間、交互に10日間程度行います。維持には週1回〜月1回の頻度で継続します。

効果的な治療例

  • ボトックス注射は、患者の81%で発汗が50%減少する効果が報告されています。少量のボトックスを過剰に発汗している部位に注入し、効果は6〜17か月で持続しますが、再注入が必要です。
    外科的に汗腺を除去する手術もあり、他の治療が効果がなかった場合に検討されます。成功率は高いです。

検討すべき点

  • 最終手段として、内視鏡下胸部交感神経切除術(ETS)が選ばれることがあります。この手術は、腋下からカメラを挿入し、胸腔内の交感神経を切断またはクランプして発汗信号を遮断します。手術中は片側肺を虚脱させ、手術後に再膨張させます。

注意事項

  • ETSは手足、腋下、顔の発汗を減少させますが、80〜90%の患者で背中や太もも、腹部に代償性発汗が起こります。代償性発汗は元の症状よりも不快と感じることが多く、約半数の患者が日中に着替えが必要になるほどです。

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