細胞呼吸の生物学的意義
「呼吸」という言葉を聞くと呼吸器系を思い浮かべるでしょうが、実はすべての生物を構成する微小な細胞でも同様に呼吸が必要です。動物が酸素を取り込んで生きるように、個々の細胞も機能を維持するためのエネルギーを自ら産生しなければなりません。
定義
エネルギーはどこからか供給されなければなりません。細胞は糖類やその他の化合物を分解し、仕事に必要なエネルギーを取り出します。このプロセスは「細胞呼吸」と呼ばれ、ミトコンドリア内で行われます。
プロセス
動物は酸素を吸い込みます。その一部がミトコンドリアに取り込まれ、食物から得た糖と結合して、二酸化炭素や水などを生成します。細胞呼吸の目的は、食物中の化学エネルギーを ATP(アデノシン三リン酸)の化学結合に蓄えることです。生成された二酸化炭素は肺へ運ばれ、呼気として排出されます。
細胞呼吸の種類
● 好気性呼吸:酸素を使用して ATP を生成します。酸素は水素イオンと結合して水を生成し、電子伝達系に電子が過剰に蓄積するのを防ぎます。
● 無酸素呼吸:酸素を必要としません。その一例が発酵です。発酵は電子と水素イオンを他の分子へ供与し、酸素が不足した筋肉細胞(速筋など)でも ATP を産生できます。
問題が起きたとき
ミトコンドリアが機能不全になると、細胞はエネルギー不足に陥り死滅し、結果として全身の臓器が機能不全に陥ります。代表的なミトコンドリア障害として、脳の白質が変性するアルパー病、心筋が弱く成長遅延や白血球減少を伴うバース症候群、代謝が過剰に走るラフト病などがあります。ラフト病患者は大量に食べても痩せていたり、寒い環境でも大量に汗をかくなど、余剰エネルギーが熱に変換されます。
ミトコンドリアを健康に保つ方法
抗酸化物質を摂取し、カロリー摂取を抑えることでミトコンドリアの酸素利用量を減らし、酸化的損傷を低減させることができます。これにより細胞寿命が延びると考えられています。
