減圧理論とは

減圧理論の概要

スキューバダイビングで吸う圧縮空気は酸素と窒素を含みます。高圧下で吸入した窒素は体組織に溶け込みますが、圧が過度になると血液や組織内に気泡ができ、減圧症(潜水病)を引き起こします。減圧理論は、減圧症を起こさずに潜水できる深さと潜水時間を算出するための学問です。

速い組織と遅い組織

カナダ防衛・民間医療環境医学研究所(DCIEM)によると、体内のすべての部位が同じ速度で窒素を取り込むわけではありません。血流が豊富な肺や腹部などの臓器は窒素の吸収・排出が速く、脂肪や骨髄、軟骨を多く含む組織は遅いです。脂肪組織は水分組織に比べ窒素を多く保持するため、飽和と脱飽和に時間がかかります。

安全性の算定

長年にわたり、生理学者は減圧症を防ぐための最適な潜水深度と上昇時間を示すモデルや表を作成してきました。新たな組織特性や窒素の挙動に関する知見が得られるたびに、これらのモデルは改訂されています。

M 値(M‑Values)

体内の窒素圧は「窒素張力」と呼ばれます。組織ごとに許容できる最大窒素張力が設定されており、これを M 値と呼びます。M 値は組織が気泡を形成し始める限界圧を示し、速い組織ほど高い M 値を持ちます。研究者は深度ごとの水圧と各組織の M 値を組み合わせ、減圧症を防ぐための上昇規則を導き出しています。

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