重炭酸ナトリウムと高カリウム血症の概要と対策
高カリウム血症とは
血中カリウム濃度が正常範囲を超えて上昇する状態を高カリウム血症と言います。カリウムは心拍リズムの調節に不可欠なため、濃度が高くなると不整脈や心停止の危険が生じます。
主な症状
- 不整脈や心拍の遅延・弱化
- 吐き気や嘔吐
- 血圧低下や意識消失(重症例)
主な原因
- 腎機能障害:腎臓が余分なカリウムを排泄できなくなる
- 代謝性アシドーシス:組織に酸が蓄積し、カリウムが細胞外へ移動する
- 薬剤(例:ACE阻害薬、カリウム補充剤)や外傷・出血などの急性状態
治療の基本方針
高カリウム血症は心停止リスクが高いため、通常は入院して集中管理が必要です。治療は以下のステップで行われます。
- 原因の特定と除去(例:腎不全の管理、薬剤中止)
- カリウムの急速除去:カルシウム投与で心筋の興奮性を安定させ、インスリン・ブドウ糖やβ刺激薬で細胞内へカリウムを移動させる
- 持続的なカリウム除去:利尿剤や透析を用いることがある
- アシドーシスが原因の場合、重炭酸ナトリウムで酸を中和し、カリウムの細胞外移動を抑制する
アシドーシスと重炭酸ナトリウムの関係
代謝性アシドーシスが高カリウム血症の直接的な原因と判断された場合、重炭酸ナトリウムを投与して血液をアルカリ性に近づけます。これによりカリウムが細胞内に戻り、血清カリウム濃度が低下します。
重炭酸ナトリウムが効果を示さないケース
- 腎不全や透析不全によるカリウム蓄積
- 副腎不全(アジソン病)や移植腎の拒絶反応
- 薬剤性のカリウム過剰
これらの場合は、重炭酸ナトリウムだけでは血中カリウムを正常化できないため、他の除去法や根本疾患の治療が必要です。
