一次性高オキサリ尿症(PH1)とは何か
一次性高オキサリ尿症(PH1)とは
一次性高オキサリ尿症1型(Primary hyperoxaluria type 1, PH1)は、酵素アラニン:グリオキサレート アミノトランスフェラーゼ(AGT)が欠損または機能低下する遺伝性疾患です。AGTはグリオキサレートの代謝に関与しており、欠損するとグリオキサレートが蓄積し、オキサリ酸に変換されます。オキサリ酸は尿中に排泄され、結晶化して腎臓にダメージを与えることがあります。
遺伝形式と発症率
PH1は常染色体劣性遺伝で、AGT遺伝子の両アレルが変異して初めて発症します。変異の種類によりAGT活性は完全欠損から部分的欠損まで様々で、症状の重症度も変わります。発症頻度は約12.5万人に1人とされ、主に小児期に診断されますが、成人で発症する例もあります。
主な症状
- 腎結石
- 腎不全
- 腎石灰沈着(ネフロカルシノーシス)
- 骨痛
- 筋力低下・倦怠感
- 吐き気・嘔吐
- 腹痛
治療法
治療はオキサリ酸の尿中濃度を下げることを目的に、薬物療法と食事療法を組み合わせます。
薬物療法の例
- ビタミンB6(ピリドキシン)
- クエン酸カリウム
- クエン酸カルシウム
- クエン酸マグネシウム
- アロプリノール
食事療法のポイント
- オキサリ酸を多く含む食品(ほうれん草、タケノコ、ビーツ、チョコレート、ナッツ類)を制限
- カルシウムを多く含む食品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)を積極的に摂取
- 十分な水分を摂取し、尿量を増やす
重症例の対応
腎機能が著しく低下した場合は腎移植が検討されます。近年は肝腎同時移植や酵素補充療法の研究も進んでいます。
予後
早期に診断し適切に治療すれば、多くの患者は通常の生活を送ることが可能です。
