局所てんかん(部分てんかん)とは?
概要
脳内の電気的な異常放電は、全脳に広がる全般性てんかんと、特定の部位から始まる局所(部分)てんかんに分かれます。全般性発作は全身の痙攣を伴いますが、局所発作は脳のある領域に限られ、体の一部や感覚、気分に限定された症状が現れます。たとえば、腕がピクピク動く、奇妙な視覚像が見える、突然の気分変化などです。局所てんかんは放置すると全般性発作に移行し、重症化することがあります。
重症度
局所てんかんは、皮質異形成(皮質の形成異常)と呼ばれることがあります。小児期に発症する良性局所てんかん(BFEC)は比較的軽度で、思春期までに自然に治ることが多く、主に5〜8歳で診断されます。一方、皮質異形成は難治性てんかんの主な原因であり、子どもだけでなく成人でも頻繁に見られます。
原因
局所てんかんは先天的に生じることが多く、胎児期の脳発達過程で神経細胞が正しい位置(外側の灰白質)に移動しなかったり、細胞が異常に大きく(バルーン細胞)核がずれ、樹状突起や軸索が不足することが原因とされています。主な原因としては、側頭葉硬化、皮質形成異常、血管性疾患、腫瘍、感染、外傷などが挙げられます(Science Daily)。
症状
重度の局所てんかんでは、頭部の肥大、深部腱反射の低下、発作後の言語退化、多動性、衝動性、攻撃的行動、知的障害や発達障害などが報告されています。発達遅延が認められる場合は、てんかん治療に加えて理学療法などのリハビリが必要になることがあります(Oxford Journals)。
従来の治療
良性局所てんかんの場合、特に治療は不要なことがあります。治療が必要な場合は、発作の抑制を目的に抗てんかん薬が使用されます。薬物で効果が得られない「難治性局所てんかん」では、外科手術が検討されます。皮質異形成の部位に応じて、異常組織の切除や脳の他部位との接続を遮断する手術が行われます。
その他の治療法
手術は約60%の患者で発作コントロールに成功しますが、残りの患者にはガンマナイフや植込み型刺激装置(VNSやRNS)などの新しい治療法が選択肢となります。これらは発作を検知して電気ショックで止める仕組みで、症状の軽減や場合によっては完治を目指すことができます(New England Journal of Medicine)。
