横隔神経損傷の原因と最新治療法

横隔神経は頸部のC3〜C5椎骨から起始し、横隔膜の運動を支配するとともに、胸部や上腹部の感覚も伝えます。左右に1本ずつ、合計2本存在し、呼吸に不可欠な役割を果たしています。

横隔神経損傷の原因と症状

主な原因は頸部外傷や外科手術時の損傷、事故、周囲組織の異常などです。片側の神経が損傷しても呼吸は可能ですが、呼吸が浅くなり、息切れや呼吸困難を感じやすくなります。

横隔神経は感覚線維も含み、心膜や肺、腹腔の感覚を伝えます。損傷によりこれらの領域の感覚が失われ、疼痛や不快感が生じることがあります。

外科的治療法

神経外科医のアボット・クリガー博士は、肋間神経を用いた神経移植法を開発しました。生体肋間神経を横隔神経に接合し、約6か月後に再生が始まり、電気伝導機能が回復します。

再生した神経に対しては、心臓用ペースメーカーと同様の装置を埋め込み、横隔神経に適切な「呼吸」信号を送る「横隔神経ペーシング」を行います。この方法は人工呼吸器に依存するリスクを減らし、予後改善が期待されています。

現時点では、横隔神経損傷に対する唯一の根本的治療は手術による神経再建です。

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