肋間神経痛(インタコスタル・ニューロパチー)
神経痛とは
神経痛は、神経そのものの障害に起因する痛みです。神経は体の感覚情報を脳へ伝える役割を担っており、脊髄から31対の脊髄神経が分岐し、全身に広がるネットワークを形成します。神経が損傷すると、正常な刺激とは別に異常な痛み信号を発生させ、鋭い痛みや灼熱感が生じます。
肋間神経とは
肋間神経は肋骨の間を走り、胸部や上腹部の感覚情報を脳へ伝える神経です。筋肉の断裂や瘢痕、内部組織の変形などが原因で神経が圧迫されると、肋間神経痛(インタコスタル・ニューロパチー)となります。主な症状は肋骨、胸部、腹部に沿った鋭い刺すような痛みです。
診断
診断では、疼痛の部位・性質(例:左側の痛み、しびれ、筋力低下)や既往歴、外傷の有無を総合的に評価します。例えば、過去の胸部手術が原因で神経が損傷し、肋間神経痛を発症したケースも報告されています。
治療
治療は痛みの原因除去と症状緩和の二方向からアプローチします。最も一般的なのが「肋間神経ブロック」です。局所麻酔薬とステロイドを患部に注射し、神経伝達を遮断します。注射後数日間はステロイド特有の刺激感があることがありますが、基本的には日常生活を通常通りに行うことが推奨されます。
留意点
肋間神経ブロックは肋骨骨折や胸部手術後、上部腹部手術に伴う疼痛に有効ですが、呼吸器系の感染症や肺疾患、糖尿病・心疾患を持つ患者にはリスクがあります。まれに穿刺部位の肺がつぶれる(気胸)こともあるため、適応判断は慎重に行う必要があります。
