結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の概要

構造

ケネス・トダー(Kenneth Todar)が『Online Textbook of Bacteriology』で指摘するように、結核はMycobacterium tuberculosis(結核菌)によって引き起こされ、細菌性死亡の世界最大の原因です。結核菌は非運動性の棒状菌で、酸素を必要とする好気性菌です。その細胞壁は脂質が多数含まれ、ペプチドグリカンと共に染色が困難で、抗生物質に対する抵抗性が高く、殺菌が難しい特徴があります。

感染経路

米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、結核は感染者が咳やくしゃみ、会話時に放出した飛沫を他者が吸入することで広がります。握手や食器の共有、歯ブラシの共有、キスなどでは感染しません。

診断

結核感染の有無はツベルクリン皮内検査で確認します。腕にツベルクリンを注射し、反応を観察します。結核症が疑われる場合は痰の培養と胸部X線検査が行われます。また、血液検査もありますが、広く利用できるわけではありません。

症状と影響

感染しても必ずしも発症するわけではなく、潜伏感染と呼ばれます。潜伏感染者は皮膚検査で陽性となりますが、他者に感染させません。免疫力が低下すると活動性結核へ移行し、長時間続く血痰を伴う咳、胸痛、倦怠感、食欲不振、寒気、発熱、夜間発汗などが現れます。HIV感染者は特にリスクが高く、関連菌であるMycobacterium aviumも同様の症状を引き起こします。

予防・治療

結核の罹患率が高い国では、カルメット・ゲラン(BCG)ワクチンが予防接種として使用されますが、米国では一般的ではありません。BCG接種は皮膚検査で陽性反応を示すことがあります。潜伏結核感染にはイソニアジド(INH)による予防的投薬が行われ、治療期間は9か月以上になることがあります。活動性結核には複数薬剤を組み合わせた多剤併用療法が標準です。

希少疾患 - 関連記事