化膿性汗腺炎(HS)の治療方法

化膿性汗腺炎(Hidradenitis suppurativa、略称HS)は、皮膚の毛包やアポクリン汗腺が炎症を起こす慢性疾患です。腋窩部や鼠径部など、汗腺が多い部位に黒ニキビ、嚢胞、膿瘍ができ、慢性的な痛みや膿の排出により身体的・社会的・心理的に大きな障害をもたらします。治療は生活習慣の改善、薬物療法、外科的処置を組み合わせて行います。

自己管理(セルフケア)

  1. 禁煙:喫煙者はHSのコントロールが極めて困難です。ニコチン代替製品も症状を悪化させる可能性があります。

  2. 体重管理と食事制限:肥満はHSのリスク因子です。乳製品に含まれるホルモンが症状を悪化させることがあるため、乳製品を控え、血糖値を急激に上げない低GI食品を中心に摂取しましょう。

  3. 患部への外傷を減らす:刺激の少ない低刺激性洗浄剤で優しく洗い、タオルやスポンジは使用しません。通気性の良いゆったりした衣類を着用し、摩擦や発汗を最小限に抑えます。

医療的治療

  1. 皮膚科受診のタイミング:症状が出たら早期に皮膚科へ。早期治療は瘻管や瘢痕形成を防ぎます。家族歴の有無も確認しましょう。

  2. ホルモン・インスリン抵抗性の評価:月経不順、不妊、にきび、脱毛、過剰毛髪などの症状がある場合は、ホルモンバランスやインスリン抵抗性を検査します。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とHSは併発しやすいです。

  3. 早期切開(ルーフィング):嚢胞や膿瘍が慢性化する前に外科的に開口し、内部から自然治癒させます。必要に応じてトリアムシノロン注射で炎症と疼痛を抑えます。

  4. 抗アンドロゲン療法:スピロノラクトンは男性ホルモンの作用を抑えるため、ホルモンバランスが関与するHSに第一選択薬として有効です。

  5. 抗生物質の併用:抗菌作用と炎症抑制作用を持つ抗生物質は、炎症性病変のコントロールに役立ちます。

  6. 重症例の免疫抑制療法:TNFα阻害薬などの生物学的製剤や、広範囲切除後の二次的創傷治癒などが検討されます。

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