音響神経腫手術後の回復とケア
音響神経腫(前庭神経鞘腫)は、脳から中耳へと伸びる第8脳神経にできる良性腫瘍です。腫瘍が大きくなると難聴や脳内の液体貯留が起こり、外科的切除が必要になります。手術後の回復は、術前・術後の適切なケアを行えば比較的スムーズに進みます。
手術前の準備
手術の目的は顔面神経を保護しながら腫瘍を除去することです。全身麻酔下で頭蓋に切開し腫瘍を取り除きますが、手術時間は最大12時間に及ぶことがあります。そのため、足や尾骨が圧迫されないようクッションを用意してもらいましょう。
一部の医師は手術前にガムを噛むよう勧めています。顎の筋肉を鍛えることで、術後の回復が早まります。
神経・眼のトラブルへの対処
手術後は集中治療室で約24時間麻酔からの回復を観察します。寒気や吐き気、痛みが出ることがありますので、ブランケットを追加したり、疼痛管理を医師に伝えましょう。
顔面神経が回復せず麻痺が残る場合は、舌下神経移植(舌神経吻合)という迅速な神経移植手術で筋肉の動きを取り戻すことが可能です。
眼の乾燥は頻繁に起こります。生理食塩水の点眼や、涙点閉鎖術で涙の貯蔵を確保すると、角膜潰瘍や瘢痕化を防げます。
頭痛とバランス障害の予防
手術直後に頭痛が出ることがあります。適切な鎮痛薬の使用や、顎の緊張を緩めるストレス対策を医師に相談しましょう。
内耳手術後は平衡感覚が乱れやすくなります。簡単なリハビリとして、廊下をつま先立ちで歩き、転倒時に壁に手を伸ばす練習を朝晩数分行うと効果的です。前庭リハビリテーション施設での専門的なエクササイズや、太極拳、磁気インソールなども有用です。
完全な回復には6週間以上かかることがあります。焦らず継続的にリハビリを続けましょう。
