脊髄腫瘍学(スパイナル・オンコロジー)
原発性・転移性腫瘍
脊椎にできる腫瘍は、原発性(良性・悪性)と転移性(他臓器からの転移)に大別されます。転移性腫瘍は、体内の別の部位にあるがんが血流やリンパで脊椎へ転移したものです。モフィットがんセンターのデータによれば、他部位にがんがある患者の約40%が最終的に脊椎へ転移します。
腫瘍のタイプ
髄外腫瘍(exradural)
椎体間に発生する腫瘍は髄外腫瘍と呼ばれます。悪性の場合は多くが他臓器からの転移ですが、脊椎に原発するものとしてはユイング肉腫、多発性骨髄腫、骨肉腫(小児で最も多い骨がん)があります。良性の髄外腫瘍には骨芽細胞腫、骨様骨腫、血管腫などがあります。
髄内外髄腔腫瘍(intradural‑extramedullary)
髄膜のくも膜下に発生する腫瘍で、終糸球上皮腫、髄膜腫、神経鞘腫、神経線維腫などが含まれます。
髄内腫瘍(intramedullary)
脊髄実質内にできる腫瘍で、主に星状細胞腫(小児・思春期に多い)と上皮細胞腫が見られます。
診断
脊椎腫瘍の主症状は、腫瘍が脊髄や神経根を圧迫することによる疼痛です。その他、四肢のしびれ・感覚異常・筋力低下、排尿・排便障害が現れることもあります。診断にはX線、CT、MRI、PET、髄液造影(ミエログラム)などの画像検査が用いられます。
治療
治療は腫瘍の種類・部位、患者の全身状態に応じて選択されます。放射線療法、化学療法、外科手術が主な選択肢です。良性で症状が出ていない場合は経過観察が最適なこともあります。
留意点
良性腫瘍は多くの場合深刻ではありませんが、脊椎付近にできると神経を圧迫し、疼痛や神経障害、場合によっては麻痺を引き起こす可能性があります。
