前立腺がんの中性子放射線治療
中性子放射線治療は、従来の光子(X線)放射線治療や電子線治療に比べ、放射線抵抗性のがん細胞をより速く死滅させる可能性があります。しかし、長期的な有効性を示す研究が不足しているため、一部の保険会社では医療上不要とみなされ、費用がカバーされないことがあります。
中性子治療
従来の放射線治療は、低線エネルギー転移(LET)のビームでがん細胞の増殖を抑制しますが、中性子治療は高LETの放射線を用いて核反応によりがん細胞を直接損傷します。そのため、酸素が不足した腫瘍でも効果が期待でき、従来治療より少ない照射量でがん細胞を速やかに死滅させます。転移が広範囲に及んでいる場合は、外科的切除や化学療法が併用されることがあります。
タイプ
- 中性子ビーム放射線治療
外部ビーム装置から放射性中性子を照射し、がん細胞を死滅させます。米国の限られた施設でのみ提供されています。 - 中性子ブレイキセラピー(内部照射)
放射性シード(種子)を前立腺内に埋め込み、分裂中のがん細胞だけを選択的に損傷します。正常組織への影響は最小限です。 - ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)
患者にホウ素化合物を投与し、腫瘍細胞に取り込ませます。その後、中性子ビームを照射するとホウ素と中性子が反応し、局所的にがん細胞を破壊します。
注意事項
中性子放射線治療は妊娠中の女性には適用できません。また、治療後は患者自身がわずかに放射能を帯びるため、治療直後の1週間はペットや他人との密接な接触を避けることが推奨されます。副作用として、脱毛、皮膚刺激、倦怠感、下痢、口渇、膀胱刺激、吐き気、耳痛、咳、嚥下障害、肺線維化などが報告されています。治療のメリットとリスクは担当医と十分に相談してください。
