なぜ狂犬病は哺乳類だけに感染するのか
狂犬病ウイルス
狂犬病ウイルスは genotype 1 に分類され、温血動物の体内でのみ増殖できます。冷血動物では増殖できないため、感染は哺乳類同士でのみ起こります。ウイルスは宿主の細胞膜に結合し、細胞内に侵入して RNA を用いて増殖します。
症状
感染後数週間から最大3か月で症状が現れます。初期症状は風邪やインフルエンザに似ており、頭痛、倦怠感、発熱などがあります。ウイルスが脳に達すると、意識障害、嚥下困難、不安、麻痺など中枢神経系の症状が出ます。
感染が疑われる哺乳類
狂犬病は哺乳類から哺乳類へしか伝染しません。代表的な媒介動物はスカンク、アライグマ、コウモリ、キツネです。また、野良犬や野良猫も感染源になることがあります。鳥類、魚類、爬虫類は感染しません。
治療法
症状が出る前に治療を開始することが重要です。咬まれた直後に傷口を石鹸と水で十分に洗浄し、できるだけ早く医療機関で抗狂犬病免疫グロブリン(5回に分けて28日間投与)を受けます。免疫グロブリンは既に抗体を持つドナー血液から作られ、体内で抗体が産生されるまで感染を防ぎます。
予防と対策
最も効果的な予防は、すべてのペット(犬・猫)に狂犬病ワクチンを接種することです。1960 年以前は家庭内の動物が感染源の大半でしたが、ワクチン普及により現在は野生動物が主な感染源となっています。
