ムラスタビウム感染症(Molluscum contagiosum)の概要と対策

ムラスタビウム感染症(Molluscum contagiosum)は、主に小児に見られるウイルス性の皮膚感染症です。無痛の小さな丘疹(2〜5mm)が皮膚に現れ、自然に消えることが多いですが、掻くと二次感染のリスクがあります。感染は直接接触や汚染されたタオル・衣類などを介して広がります。成人で性器に発症した場合は性感染症とみなされます。

症状

丸く盛り上がった丘疹(パピュラ)は、肉色またはやや暗い色を呈し、中心部にくぼみがあります。刺激されると赤く腫れ、掻くと出血することがありますが、かゆみや痛みはまれです。小児では顔、脇の下、首、手に多く見られ、成人では下腹部、内もも、性器、臀部に現れることがあります。

経過

潜伏期間は2〜6週間で、免疫低下者は症状が早く出ます。単一の丘疹は約2か月で自然に消失しますが、同時に別の部位に新たな病変が出ることがあります。多くの場合、感染は6か月から2年以内に自然に治癒します。治癒は自然に起こる場合もあれば、局所薬による治療で早まることもあります。

合併症

合併症は稀ですが、除去手術(キュアトージ)後に瘢痕が残ることがあります(約7%)。HIV感染者や免疫抑制剤使用者では二次感染のリスクが高く、重篤になることがあります。また、眼周囲に病変ができた場合は視力低下を防ぐため、速やかな治療が必要です。

治療法

自然消失が期待できるものの、拡散防止や他者への感染防止のために治療が行われます。主な除去法はレーザー治療、凍結療法(クライオセラピー)、キュアトージです。掻痒感や周囲の二次皮膚炎がある場合は、ヒドロコルチゾン軟膏などのステロイド外用薬が用いられます。湿疹や免疫低下がある患者は、専門医による個別の管理が必要です。

予防策

感染力が高いため、以下の対策が重要です。

  • 感染者との直接接触を避ける。
  • タオル、ヘアブラシ、衣類などの個人用品を共有しない。
  • 発疹がある間は性的接触を控える。
  • 丘疹を触ったり掻いたりしないようにし、特に子どもは指で触れさせない。
  • 共同使用のスポーツ用品やプールでの感染リスクにも注意する。

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