天然痘(Variola)とは何か

天然痘は、Variolaウイルス(Variola vera)によって引き起こされる感染症です。治療法はなく、ワクチン接種により予防されます。1980年に世界的に根絶されましたが、バイオテロの脅威として各国で監視が続けられています。米国のいくつかの研究所では、研究目的でウイルスが保管されています。

症状

潜伏期間は約2週間で、この間は無症状ですが感染力はありません。潜伏後、倦怠感、頭痛、発熱、嘔吐、背部痛などの全身症状が現れ、続いて顔・胴体・四肢に水疱が出ます。鼻にも病変が見られます。

原因・感染経路

天然痘ウイルスは飛沫感染が主です。咳やくしゃみ、会話により感染者の飛沫が吸入されると感染します。ウイルスはリンパ系(リンパ節・脾臓)を経て血流に入り、骨髄へと拡散し、血管内で増殖します。その結果、皮膚に水疱が形成され、唾液や分泌物を通じて他者に広がります。また、患者の寝具や衣類からも感染が起こります。

診断

疑いがある場合、医師はまず身体検査を行い、血液サンプルを採取して検査機関に送ります。感染の疑いは米国疾病予防管理センター(CDC)へ報告されます。

治療

根本的な治療法はありません。感染が確認された患者は隔離し、症状が出る前に予防接種を行いますが、発症後のワクチンは治療効果を持ちません。二次感染を防ぐために抗生物質が投与され、症状緩和の対症療法が行われます。研究は続けられており、シドフォビルなどの抗ウイルス薬が有効性を示しています。

予防

予防の最も効果的な方法はワクチン接種です。天然痘が根絶されたため、一般的なワクチン接種は終了しましたが、WHOは過去に大規模な予防接種キャンペーンを実施しました。最後の自然感染例は1977年で、現在は米国CDCが緊急時に備えてワクチンを備蓄しています。

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