歯科補綴物の種類
歯科において失われた歯を補う補綴治療は「補綴学」と呼ばれます。一般歯科医でも簡単な補綴物は作製できますが、症例が複雑な場合は補綴専門医が担当します。補綴物は先天的に欠損した歯や、虫歯・歯周病などで失った歯を置き換えるために使用され、単一の歯から複数歯にわたる欠損まで対応します。
クラウン(被せ物)
クラウンは歯の根元から歯茎上部を覆う補綴物です。大きな虫歯、ひび割れ、広範な充填、根管治療後などで歯が弱くなった場合に必要です。歯科医は損傷した部分を削り、残った頑丈な歯体(ステム)に合わせて人工のクラウンを作製し、セメントで固定します。素材は金属、セラミック、金属とセラミックの合金などがあります。クラウンを装着するには、十分な歯体と適切な骨支持が必要です。
インプラント
歯体が残っていない場合や、標準的なクラウンが不可能な場合は、歯を抜いてインプラントを検討します。欠損した歯が単独で、顎骨の状態が良好であればインプラントが有力です。手術は口腔外科医が顎骨にチューズ(スクリュー)を埋め込む二段階で行われ、全身麻酔を選択することも可能です。術後約6週間の治癒期間を経て、上部構造としてクラウンを装着します。クラウンの作製・装着手順は上記クラウンと同様です。
ブリッジ(橋)
隣接する歯が残っており、欠損部の両側に十分な支えがある場合はブリッジが適応です。支台歯(アバットメント)となる歯をクラウンで覆い、人工の橋を接続して欠損部を埋めます。ブリッジは固定式で、自然歯やインプラントに固定されます。初診では支台歯を削り、型取りを行い、ラボでブリッジを製作します。仮ブリッジで保護した後、最終診で永久ブリッジをセメント固定し、必要に応じて調整します。
義歯(入れ歯)
全ての歯が失われた場合は総義歯、部分的に歯が残っている場合は部分義歯が選択肢です。総義歯は顎骨の上に直接装着し、部分義歯は残存歯と連結して支えられます。歯科医は口腔内の印象を取り、ラボで模型やワックスモデルを作成し、数回の調整を経て最終的に装着します。装着後は快適さを確認し、必要に応じて微調整を行います。
