高齢者の運動と健康:活動的な人と非活動的な人の比較
世界保健機関(WHO)が2013年に発表したデータによると、身体活動不足は死亡リスクの第4位に位置し、世界規模でさまざまな健康障害の主な原因とされています。年齢層を問わず影響がありますが、特に65歳以上の高齢者においては、運動の有無で健康状態に大きな差が見られます。
活動的な高齢者の特徴
2002年2月に『American Family Physician』に掲載された研究によれば、定期的に運動を行う高齢者は加齢に伴う疾患や死亡リスクが低減します。具体的には、変形性関節症、記憶力低下、糖尿病、血圧上昇などが改善されることが報告されています。また、メリーランド大学医療センターは、加齢に伴う筋力低下を防ぐために継続的な運動が不可欠であると指摘しています。例外はあるものの、ほとんどの高齢者が運動から恩恵を受けられます。
運動不足の高齢者
同じく2002年の研究では、米国の高齢者の約75%が十分な身体活動を行っていないことが明らかになっています。しかし、遅い時期に運動を始めても健康効果は期待でき、若年期に運動していたが後に止めた人よりも死亡率が低いという結果も示されています。
サルコペニアと運動
運動不足はサルコペニア(加齢に伴う筋肉量・筋力・筋質の低下)を進行させます。サルコペニアは30代から始まりますが、顕在化は70歳前後です。2003年10月の『Journal of Gerontology: Series A』のレビューでは、サルコペニアは多因子性であるため運動だけで完全に防げないものの、進行を遅らせ、予防や治療に有効であると結論付けられました。
高齢者に推奨される運動量
米国疾病予防管理センター(CDC)は、65歳以上の成人に対し、以下の運動を推奨しています。
- 中強度の有酸素運動を週合計2時間30分以上(例:速歩)
- または、強度の高い有酸素運動を週1時間15分以上(例:ジョギング)
- 主要な筋肉群(脚・臀部・背中・腹部・胸部・肩・腕)を対象とした筋力トレーニングを週2回以上
筋力トレーニングは、ウェイトリフティング、プッシュアップ・シットアップなどの自重運動、重い庭仕事、ヨガなどが含まれます。運動プログラムを開始する前に、必ず医師と相談してください。
