マルチファクターフォールズアンケートの採点と実施手順
マルチファクターフォールズアンケートは、エルダーリー転倒スクリーニングテスト(EFST)やTimed Up and Go(TUG)テストの結果が高リスクと判断された方に実施する、転倒リスクを10項目で評価する質問票です。スコアは数値化せず、各リスク要因の有無を確認し、必要な対策や専門家への紹介を行います。Saskatoon Health Region Injury Prevention Service の指針では、TUG が14秒超、またはEFST が2点以上の場合に本アンケートを実施します。
必要な資料
- 住宅安全チェックリスト、シニア向け運動プログラム、理学療法、アルツハイマー病、歩行補助具、転倒リスク要因に関する文献など。
実施手順
- 患者が理解できない質問があれば、言い回しを分かりやすく変更する。
- 「はい」の回答があった項目は、患者の背景情報としてカルテに記録する。
- 一般項目で未解決の問題があれば、患者と詳しく話し合い、追加の質問で掘り下げる。
- 各セクションを順に確認し、「はい」の回答について具体的な対策を検討する。
- 全般的なフォローが必要な項目は、一般医師への紹介を行う。
- 視覚に問題があると答えた場合は、眼科医または検眼士へ紹介する。
- 足の感覚低下・しびれ・チクチク感がある場合は、糖尿病検査を実施できる一般医師へ紹介し、糖尿病に関する情報提供を行う。
- 不安定な足場や特定の地形での歩行困難を訴える場合は、足の状態や靴の選び方を説明し、必要に応じて足病医や理学療法士へ紹介する。
- 薬剤の併用やアルコール摂取による転倒リスクについて説明し、医師と相談させる。
- 薬剤管理が不十分な場合は、患者に薬の整理方法を指導し、必要なら薬剤師へ紹介する。
- 薬の変更でめまいや不安定感が出た場合は、薬剤師に相談させる。
- ハーブや自然製品を使用している場合は、自然療法医師へ紹介し、相互作用を確認させる。
- 身体的制限がある場合は、在宅清掃・調理サービスや、身体機能に合わせた運動指導者を紹介する。
- 記憶障害があると答えた場合は、神経学的検査のために一般医師へ紹介する。
- アルツハイマー病や認知症のリスクについて家族と共有し、支援プログラムや安全対策を案内する。
- 自宅で複数回転倒した、または安全点検を希望する場合は、住宅安全指導を実施する。
- 住宅安全点検を設定し、必要な改善策を提示する。
- 作業療法士に評価を依頼し、転倒防止の環境調整を行う。
- バランス・筋力低下がある場合は、理学療法士へ紹介し、リハビリテーションを開始する。
- 歩行補助具の正しい使用法を指導し、シニア向け専門運動プログラムを紹介する。また、関節痛や慢性的な痛みの管理法も説明する。
- 10項目のうち「はい」の回答数を集計し、リスクレベルを判定する。中等リスクは3項目以内、または紹介が2件まで。高リスクは3項目を超える、特にⅠ〜Vのリスク要因がある、または紹介が1件以上必要で交通手段や質問理解の支援が必要な場合とする。
- 高リスクと判定された場合は、転倒専門クリニックへの紹介を行う。
