10代の薬物乱用に関する事実
思春期の子どもを持つ親にとって、薬物乱用は大きな不安の種です。仲間に合わせるため、自己肯定感を高めるため、あるいは反抗心から薬物に手を出す10代は少なくありません。ここでは、10代が乱用しやすい薬物の種類やその症状・影響、そして対策についてまとめました。
一般的に乱用される薬物
- アルコール・タバコ(紙巻き、噛みタバコ)
- 大麻
- 風邪薬(例:スーダフェド、ベナドリル)
- 抑制剤・興奮剤(感情状態を変える薬)
- モルヒネ、コデイン、ビコディンなどの鎮痛薬(強い依存性)
- エクスタシー(クラブドラッグ)
- 揮発性溶剤(ガソリン、ペンキなど)を吸引する「ハッフィング」
処方薬も家庭内に多く保管されているため、若者の手に入りやすくなっています。米国国立薬物乱用研究所(2006年)の調査によると、12歳以上の米国人のうち1620万人が前年に処方薬を非医療目的で使用したことがあると報告されています。
症状
- タバコ:指先や爪が黄色くなる、イライラ、タバコの匂いが残る
- 大麻:目が赤くなる、眠気、過食、被害妄想、異常なほどの幸福感
- 風邪薬:眠気、心拍数の変化
- 抑制剤:眠気、抑制が解除される、ふらつき、心拍・血圧低下
- 興奮剤:心拍・血圧上昇、イライラ、妄想や過度の幸福感
- 鎮痛薬(麻薬):痛みへの反応が鈍くなる、眠気、呼吸抑制、異常な幸福感
- クラブドラッグ:汗をかかない発熱、ハードキャンディの過剰摂取、過度の幸福感
- 吸入剤:鼻水・鼻の刺激、混乱やイライラ
また、以下の行動変化も薬物使用のサインとされています。
- 態度や学業への取り組みの変化
- 規律への要求増加、怒りっぽさ
- 責任回避や友人関係の変化(薬物使用者との交友)
- 秘密主義・攻撃的行動、集中力低下、衛生状態の悪化
- 金銭の盗難や借金、暑い季節でも長袖を着るなどの隠蔽行動
影響
- 薬物依存のリスクが高まる
- 無防備な性的行動や事故の増加
- 不安や幻覚といった情緒障害、重症化すれば自殺や暴力行為に至る可能性
- 身体的損傷(吸入剤は脳にダメージ、興奮剤は心筋梗塞や脳卒中、鎮静剤は呼吸停止)
薬物乱用の最大の問題は「否認」です。使用者は自分の問題を他者のせいにしがちで、人間関係が破綻しやすくなります。
治療
薬物を使用している10代は速やかに医療機関を受診すべきです。医師は薬物の作用を相殺する薬を処方し、脱水症状には点滴、熱がある場合は冷却ブランケットを使用します。また、精神科的評価を受けさせることが推奨されています。
予防
- 日常的な対話と親の適切な監督が最も効果的
- 家庭内の揮発性溶剤、処方薬、アルコールは管理・制限する
- 放課後の時間帯にクラブ活動やスポーツなどの課外活動に参加させる
- インターネットの利用はパスワード変更やペアレンタルコントロールで管理し、PCは共用スペースに設置する
- オンライン上で薬物や薬器具(例:ボング)の販売・製造方法が拡散しているため、注意が必要
