災害時の患者追跡ポリシー
竜巻やハリケーン、津波といった自然災害、テロや戦争、事故による人的災害は、地域全体を壊滅させ、多数の犠牲者を出します。災害が発生すると医療機関は患者であふれ、負傷者の追跡が極めて困難になります。米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)などは、適切な医療提供と家族・友人の所在確認を支援するための患者追跡ポリシーを策定しています。
ESF #8
緊急支援機能(Emergency Support Function)第8号は、国内インシデント対応のための包括的な全国的枠組みであるNational Response Frameworkの一部です。ESF #8はNational Disaster Medical System(NDMS)を活用し、災害時に医療を受けた患者を追跡します。国防総省、退役軍人省、国土安全保障省がFEMAと連携し、患者追跡の責務を担います。
患者の移動
災害地域で地方医療体制が逼迫した場合、主に国防総省が患者の移送を担当します。地方当局は負傷者を「負傷者集結地点」に集め、さらに高度な治療が必要な患者は州が運営する空輸拠点(Aerial Point of Embarkation)へ転送されます。州・地方のリソースだけでは対応できない場合、連邦機関が支援に入ります。米国輸送司令部(USTRANSCOM)の防衛流通作戦センターがNDMSの方針に基づき患者の移動を管理します。
JPATS(共同患者評価・追跡システム)
Joint Patient Assessment and Tracking System(JPATS)は、NDMSが開発した全国的な患者追跡システムです。国防総省と保健福祉省(HHS)が運用し、災害被災者の氏名、社会保障番号、生年月日、受けた医療や今後必要な医療情報を提供します。また、被災者が受診した医療機関や死亡した患者の情報も記録・追跡します。
州・地方のポリシー
州や地方自治体、地域の病院は、米赤十字社などと連携し、独自の患者追跡体制を構築しています。トリアージエリアに入った時点で患者を特定し、カルテを作成、追跡管理者を配置して、入院・転院・治療・退院の各プロセスを他部門と共有します。
