看護の倫理と目的
看護師は法令だけでなく、専門職の倫理規範にも拘束されます。看護の倫理と目的は密接に結びついており、患者・家族・地域・そして看護職そのものに対して健康増進と倫理的責務を果たすことが求められます。
患者
看護師の最も基本的な目的は患者の福祉です。健康増進、疾病予防、回復支援、痛みや苦痛の軽減を行います。これらの目的に伴い、患者の尊厳と人格を尊重する倫理的義務があります。患者の信条、文化、宗教を敬い、年齢・肌の色・障害・病状・性別・性的指向・国籍・政治的立場・人種・社会的地位に基づく差別はしてはなりません。また、患者情報のプライバシーと機密保持も守る必要があります。
家族
看護師は患者だけでなく、その家族にも倫理的義務と責任があります。個々の患者に対する医療を提供するだけでなく、家族や親しい人々に対しても支援を行います。具体的には、家族を治療プロセスに参加させ、慰め、安心させ、ストレスを軽減します。患者が治療決定を家族に委ねている場合、医師と連携し、家族が十分な情報を得て適切な判断ができるよう支援します。また、家族の尊厳・信条・文化を尊重することも倫理的義務です。
地域
看護師は地域全体の健康増進にも使命があります。地域の保健リーダーや関係者と協働し、公共の健康と社会的ニーズに応える活動を企画・支援します。さらに、環境保全にも責任があり、汚染や環境劣化は公共の健康に逆行するため、持続可能な社会づくりに貢献します。
職業
看護師は看護職そのものを尊重し、倫理的に貢献する義務があります。その一環として、一般市民への教育や研修を継続的に行い、同僚や後進の教育・研修を支援します。具体的には、知識や技術を新しい看護師や学生に伝え、実習やシャドウイングの機会を提供して職域を広げ、質を向上させます。また、同僚や他の医療従事者と協調関係を維持し、患者や職業の安全を脅かす行為があれば報告する責任があります。
