医師や看護師にとって医療略語が重要な理由
時間の節約
医療記録は情報量が多く、略語を用いることで記入・閲覧の時間を大幅に短縮できます。たとえば「CPAP」は「continuous positive airway pressure」の省略形で、患者1人の病歴だけでも数百もの略語が使用されることがあります。
共通のコミュニケーション手段
大都市の大病院から地方の診療所まで、略語は同じ意味で理解されます。たとえば「WNL」は「within normal limits」の略で、場所や言語に関係なく使用できます。患者が他施設へ転院したり、他の医師に記録を送付したりする際に、統一された表現は非常に有用です。
機密保持への寄与
略語は本来機密保持のために作られたわけではありませんが、未熟な目には意味が分かりにくいため、無関係な第三者が患者情報を読み取るリスクを低減します。特にHIPAA(医療保険の携帯性と責任に関する法律)施行以降、略語は情報保護の一助となっています。
エラー増加のリスク
略語は時間とコストの面で有益ですが、誤解を招くものもあります。たとえば「u(unit)」や「cc(cubic centimeters)」は数字の「0」や「IV(intravenous)」と見間違えることがあり、重大な投薬ミスにつながります。こうした危険な略語はInstitute for Safe Medication Practices(ISMP)のMedication Error Reporting Program(MERP)で「ブラックリスト化」されており、使用を禁じる施設も増えています。
