製薬会社が資金提供した研究の信頼性
製薬会社は新薬の研究を主導することが多いが、スポンサー企業の利益が反映されたバイアスがかかりやすい。独立した第三者による研究の方が信頼性が高いとされる。
バイアスがかかった研究設計
英国医学ジャーナル(BMJ)に掲載された調査によると、製薬会社が資金提供した研究は、独立した研究に比べてスポンサー企業の製品を有利に評価する傾向が強いことが分かった。多くの場合、比較対象となる薬は効果が不十分と示されているため、スポンサー薬が相対的に優れているように見える。
出版バイアス
『ランセット』が実施した487件の製薬会社主導研究の調査では、効果が確認された薬の研究は、効果がなかった研究に比べて出版されやすいことが明らかになった。このため、医師が薬の処方判断に利用する文献は、薬を支持する結果だけが目に入りやすく、全体像が歪む危険がある。
留意点
製薬会社が実施した研究を評価する際は、以下の点を確認することが重要である。
- 研究デザインが適切か(プラセボ対照や二重盲検法が用いられているか)
- 結果が統計的に有意であるか
- 同様の条件で実施された他の研究(特に独立した研究)が存在し、結果が一致しているか
たとえ二重盲検・プラセボ対照試験であっても、スポンサー側が有利な結果だけを掲載し、否定的な結果を公表しない「未公開研究」が存在する可能性がある。
