重要性
血液や体液に含まれる病原体は、接触することで感染症を引き起こす可能性があります。針刺し事故は、こうした血液媒介性病原体に曝露する主要なリスクです。
主な感染症
針刺しによる代表的な感染症は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)です。HIVはエイズへ進行する可能性があり、HBV・HCVは肝機能障害や致死的結末を招くことがあります。
職業上の危険性
医師・看護師・検査技師・救急隊員・清掃員など、医療現場に関わる職種は針刺し事故のリスクが最も高いです。採血、投薬、手術、検体検査、処置後の清掃などの作業中に事故が起こります。
応急処置と報告
針や鋭利な物で刺された場合、または血液・体液が目・鼻・口・傷口に入った場合は、直ちに大量の水で洗い流し、石鹸や消毒剤で清潔にします。その後、速やかに上司へ報告し、医療機関で診察を受けてください。多くの施設では、リスク低減の手順をまとめたマニュアルが用意されています。
曝露後検査
最初の診察時にベースライン検査として血液を採取し、ウイルスや抗体の有無を確認します。その後、曝露後6週、12週、6か月に再度血液検査を実施し、ウイルスの活動をモニタリングします。HIVは最大12か月の追跡が推奨され、急性レトロウイルス症候群が疑われる場合は、曝露からの経過に関わらず検査が必要です。
曝露後予防(PEP)
PEP(Post‑Exposure Prophylaxis)は、曝露後にウイルス検査結果を待つ間に投与する予防薬です。HIV曝露時には抗レトロウイルス薬、HBV曝露時にはHBV免疫グロブリンとワクチンが使用されます。HBVやHCVへの曝露で抗レトロウイルス薬を用いることは稀です。
