メディケア制度における位置付け
メディケア徴収追加課税(MLSC)は、オーストラリアのメディケア制度の一部として設けられています。オーストラリア国民は、所得の1.5%を課されるメディケア・レーベイにより、無料または補助された公的医療保険を受けられます。加えて、民間保険会社からの私的医療保険に加入することも可能で、メディケアと私的保険の併用も認められています。MLSCは、私的病院保険に加入していない高所得者に対し、追加の課税を課すことで私的医療の利用を促す制度です。
公的病院での無料治療
MLSCによって得られた税収は、公共病院での無料治療の財源となります。私的病院保険の有無に関わらず、オーストラリア国民はメディケア患者(公的患者)として入院すれば、治療費は無料です。退院後のケアも同様に無料で提供されますが、治療にあたる医師は病院が指名した医師に限られ、患者が自由に選ぶことはできません。
課税対象と金額
2023‑2024年度の基準では、個人年収が77,000豪ドル以上、または世帯年収が154,000豪ドル以上で、かつ私的病院保険に加入していない場合にMLSCが適用されます。家族の扶養者が増えるごとに、世帯向けの課税額は1人あたり1,500豪ドルが加算されます。適切な保険の自己負担上限は、単身者で500豪ドル未満、世帯で1,000豪ドル未満です。MLSCは課税所得の1%で、メディケア・レーベイ(1.5%)に加算されます。
制度の背景
オーストラリアのメディケアは1984年に創設されました。MLSCは1997年に導入され、当初は年収50,000豪ドル以上(個人)・100,000豪ドル以上(世帯)で私的病院保険未加入者に課税されました。その後、所得上限は何度か変更され、2008年には個人100,000豪ドル、世帯150,000豪ドルに引き上げられ、2009年には再び個人73,000豪ドル、世帯146,000豪ドルへと調整されました。現在、オーストラリア人の約43%が私的病院保険に加入しています。
