DNA抽出手順の概要

DNAは生命の設計図であり、数十億ものコードが生物の基礎を形成しています。系譜学や法医学など、さまざまな分野でDNAの解析が行われていますが、まずはサンプルからDNAを抽出する必要があります。本稿では、毛髪や血液などのサンプルからDNAを抽出する一般的な手順を解説します。

細胞破砕(Cell Lysis)

細胞破砕は、細胞を物理的または化学的に壊し、内部の内容物を取り出す工程です。最も一般的な方法は超音波処理(ソニケーション)で、音波により細胞膜が振動して破壊されます。他にもウイルス感染、酵素分解、浸透圧破裂(オスモシス)などの手法があります。

膜除去(Membrane Removal)

次に、細胞膜を構成する脂質(リン脂質、モノグリセリドなど)を除去します。通常は界面活性剤を含む洗浄液(例:クロム酸系)でリシートを処理し、脂質を溶解させます。

タンパク質除去(Protein Removal)

脂質除去後は残存するタンパク質を除去します。プロテアーゼと呼ばれる酵素を添加し、タンパク質を加水分解(プロテオリシス)させます。これによりアミノ酸結合が切断され、タンパク質が分解されます。

DNA沈殿(Precipitation)

純粋なDNAを得るために、リシートを氷冷エタノールに加えます。DNAはアルコールに不溶性であるため、白い糸状に凝集します。金属スプーンで攪拌すると、DNAがスプーンに付着し、綿のように見えます。

イソプロパノールの使用

エタノールに加えてイソプロパノールもDNA沈殿に用いられます。イソプロパノールはエタノールより効率が高く、濃度の高いDNAが得られますが、揮発性が低く乾燥に時間がかかります。また、スプーンやチューブへの付着が弱くなることがあります。

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