拡張放出とは何か?仕組みと注意点を解説

異なる用語、同じプロセス

時間放出技術には、持続放出、制御放出、拡張放出、タイムリリース、時間放出、連続放出など、同じプロセスを指す呼び名が多数あります。これらは互換的に使用され、製品名の後に「ER」や「SR」など2文字で表記されることが多いです。ただし、遅延放出(delayed release)は拡張放出とは別の概念ですので注意が必要です。

目的と効果

時間放出製剤は、薬剤の有効成分の放出を時間差で行うよう設計されています。その結果、体内で一定の血中濃度が維持され、次回服用まで効果が持続します。疼痛緩和薬や睡眠導入剤、疾患の症状を抑える薬などで、急激な血中濃度の上昇を防ぎ、安定した効果が得られます。

遅延放出製剤

遅延放出(delayed release)製剤は、上記の用語とは異なり、胃酸による分解を防ぐためにエンテリックコート(腸溶性コート)が施されています。胃で薬が放出されると胃粘膜を傷つける恐れがあるため、腸まで安全に届くよう設計されています。包装や商品名が似ていることがあるので、購入時は必ず確認しましょう。

仕組み

時間放出にはいくつかの方式があります。

  • 薬剤を溶解しにくい基材に埋め込むことで、徐々に有効成分が漏れ出す。
  • 薬剤が膨張してゲル状になり、半透膜を通してゆっくりと放出される。
  • 有効成分をコートで覆う、あるいは個別にコートされた微小ビーズ(マイクロペレット)を含む。
  • 成分自体が血流にゆっくり吸収される性質を持つ場合もあります。

包装コードの読み方

多くの医薬品包装には2文字の略語が記載されています。これらがない場合は「即時放出」薬です。主な略語は次のとおりです。

DA: delayed absorption
DR: delayed release
EC: enteric coated(腸溶性コート)
ER: enteric release
GC: granules within capsules(カプセル内顆粒)
SR: slow release(徐放)
SSR: sustained release(持続放出)

錠剤の取り扱い注意点

時間放出錠剤はマイクロペレットやコートが機能するよう設計されているため、砕いたり割ったりすると放出特性が失われます。遅延放出錠剤も同様に、エンテリックコートが損傷すると胃にダメージを与える可能性があります。錠剤を分割する前には必ず医師や薬剤師に相談してください。

在宅医療 - 関連記事