「重大」状態とは何を意味するのか
医療現場では、患者の状態を他の医療従事者や家族、メディアに伝える際に5つの語句が使われます。その中で最も深刻なものが「重大(critical)」です。残りの4つは「未確定」「良好」「やや良好」「重篤」です。
バイタルサイン
米国病院協会(AHA)によれば、患者が「重大」状態と診断される場合、血圧・脈拍・呼吸などのバイタルサインが正常範囲を大きく外れ、かつ安定していません。例えば、交通事故の被害者は血圧が極端に上下し、頭部外傷により間欠的に意識を失うことがあります。
意識状態
「重大」状態の患者は意識を失っていることがありますが、昏睡状態である場合もあれば、覚醒している場合もあります。意識消失だけで「重大」状態と判断するわけではなく、他の臨床指標と合わせて評価されます。
「重大だが安定」
医師や看護師は、生命を脅かす疾患や外傷を抱える患者と、予後が比較的良好な患者を区別するために「重大だが安定(critical, but stable)」という表現を用いることがあります。しかしこの表現は矛盾を含むため、AHAは家族やメディアに対して使用しないよう推奨しています。誤解を招く恐れがあるからです。
