ICD-9コードとは何か?
ICD-9コードは、世界中の患者診断を分類するために用いられるコード体系です。通常は2桁または3桁の数字で表され、必要に応じて小数点以下に1〜2桁が付くことがあります。また、アルファベットで始まるコードも存在し、医師は主要診断だけでなく、併存症や要因となった疾患も記録できます。
ICDの歴史
ICDの起源は17世紀に遡ります。統計学者ジョン・グラントはロンドン死亡統計(London Bills of Mortality)を作成し、死亡原因を分類しようと試みました。医師ではなかったため手法は簡易的でしたが、基礎は築かれました。
1837年に医療統計学者ウィリアム・ファーが病気の分類体系を整備し、現在のICDの基本原則が形作られました。この分類は国際死亡原因リストの土台となっています。
1977年に第9版(ICD-9)がWHOにより公表され、以後10年ごとに改訂が行われることが合意されました。米国ではICD-10への移行は未だ完全に実施されていませんが、世界の多くの国で既に使用されています。
分類体系
疾病・傷害の分類(ICD-9 Diagnosis Codes)
診療請求には必ず1つ以上の診断コードが必要です。入院や外来の請求では、重症度や合併症の順に複数のコードが付与されます。主な分類は以下の通りです。
- 感染症・寄生虫症(001‑139)
- 腫瘍(140‑239)
- 内分泌・代謝・免疫障害(240‑279)
- 血液・造血器官の疾患(280‑289)
- 精神障害(290‑319)
- 神経系・感覚器官の疾患(320‑389)
- 循環器系の疾患(390‑459)
- 呼吸器系の疾患(460‑519)
- 消化器系の疾患(520‑579)
- 泌尿生殖器系の疾患(580‑629)
- 妊娠・分娩・産褥期の合併症(630‑679)
- 皮膚・皮下組織の疾患(680‑709)
- 筋骨格系・結合組織の疾患(710‑739)
- 先天性異常(740‑759)
- 周産期起因の状態(760‑779)
- 症候・所見・不明確な状態(780‑799)
- 外傷・中毒(800‑999)
- 健康状態・医療利用に関する補足分類(V01‑V89)
- 外因性傷害・中毒の補足分類(E800‑E999)
手術・処置の分類(ICD-9 Procedure Codes)
手術や処置に関する請求には、手術コードが必要です。主なコードは以下の通りです。
- 分類不明の処置(00)
- 神経系手術(01‑05)
- 内分泌系手術(06‑07)
- 眼科手術(08‑16)
- その他の診断・治療手順(17)
- 耳科手術(18‑20)
- 鼻・口・咽頭手術(21‑29)
- 呼吸器系手術(30‑34)
- 心血管系手術(35‑39)
- 血液・リンパ系手術(40‑41)
- 消化器系手術(42‑54)
- 泌尿器系手術(55‑59)
- 男性生殖器手術(60‑64)
- 女性生殖器手術(65‑71)
- 産科手術(72‑75)
- 筋骨格系手術(76‑84)
- 皮膚系手術(85‑86)
- その他の診断・治療手順(87‑99)
ICD-9コードの請求方法
請求書(UB‑04、CMS‑1500、または電子請求)には必ず1つ以上のICD-9コードが記載されます。保険会社は手術前に承認を求めることが多く、診断コードとCPT‑4コードの両方を提出して審査を受けます。診断コードを複数記載することで、承認取得の可能性を高めることができます。
