発作時のEMS対応手順
発作は、脳内で突然異常な電気活動が起こることを示す状態です。症状は激しい全身痙攣から軽度の意識障害までさまざまですが、通常30秒から2分程度で自然に収まります。5分以上続く、あるいは繰り返す発作は緊急事態であり、直ちに医療機関の受診が必要です。EMS(救急医療サービス)の職員は、患者が安全に搬送されるまでの間、適切な処置を行います。
現場の安全確保
EMS職員は、患者の周囲を確保し、落下物や鋭利なものが患者に当たらないようにします。頭部が硬い床や地面に直接当たっている場合は、枕やタオルで頭部を保護してください。必要がない限り、患者を身体的に抑えることは避け、口が塞がれていないか確認し、口に何も入れないようにします。
また、プライバシー保護の観点から、見物客がいる場合はできるだけ遠ざけ、遮蔽できるものがあれば使用し、患者の尊厳を守ります。
発作中の対応
単発の発作であれば、発作が自然に止まるまで待ってから搬送します。複数回の発作が続く場合は、発作が完全に収まる前でも搬送を開始します。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の2001年の研究によると、救急車内で抗痙攣薬を投与された患者は、投与されなかった患者に比べ、到着時に発作が止まっている確率が高いことが示されています。
搬送中は静かな環境を保ち、点滅光やサイレンは発作を誘発する可能性があるため使用を控えます。
発作後のケア
発作が収まったら、まず患者の状態を確認し、酸素投与を行います。その後、再度状態を評価します。可能であれば、患者の既往歴を聴取し、以下の情報を把握します。
- 診断されたてんかんや発作性疾患の有無
- 服用中の薬剤と服用時間
- 医療用識別タグの有無
- 薬物・アルコールの使用歴
- 最近の頭部・頸部・脊椎外傷の有無
