エリクソンの心理社会的発達に必要なスキルとは?
エリクソンは、人が最大限の潜在能力を発揮するためには、生涯にわたって8つの心理社会的発達段階を通過し、各段階で特定の課題を克服しなければならないと提唱しました。各段階で習得すべきスキル(美徳)を身につけることで、次の段階へ進むことができます。未解決のまま残ると神経症的傾向や対人関係の問題が生じる可能性があります。
第1段階:基本的信頼 vs. 不信
乳児期において、子どもは養育者との安定した信頼関係を築く必要があります。適切な養育が行われると、子どもは「希望」という美徳を獲得し、他者や世界を信頼できるようになります。
第2段階:自律性 vs. 恥・疑惑
生後18か月から3歳頃、子どもは自立心を芽生えさせ、選択を行います。この段階で発達するスキルは、運動制御、トイレトレーニング、そして意志力です。
第3段階:イニシアティブ vs. 罪悪感
3歳から5歳までの間に、子どもは自ら活動を計画し、遊びや目標設定を行います。リーダーシップ、意思決定、自己主導性が育まれ、成功体験から「有能さ」という美徳が形成されます。
第4段階:勤勉性 vs. 劣等感
6歳から14歳頃、学校や仕事を通じて子どもは自分の成果に誇りを感じます。自己疑念に陥らずに取り組むことで「自信」と「有能さ」を獲得します。
第5段階:アイデンティティ vs. 役割混乱
12歳前後になると、自己の外見や価値観、人生選択に対する認識が高まります。この段階で身につくスキルは「忠誠心」であり、自己のアイデンティティを確立し、人生哲学を形成します。
第6段階:親密性 vs. 孤立
22歳から30歳頃、長期的な人間関係を築く能力が問われます。コミットメントや親密さへの恐れを克服し、「愛」という美徳を習得します。
第7段階:世代貢献性 vs. 停滞
30歳から70歳の間に、次世代や社会に貢献することが求められます。養育や指導を通じて「世代貢献」というスキルを身につけ、無力感や目的喪失を防ぎます。
第8段階:統合性 vs. 絶望
70歳前後に人生の最終課題として、自己の価値観や人生の目的、達成を統合的に受け入れる必要があります。残された後悔や罪悪感が少なければ「知恵」という美徳を得て、充実感を持って生きることができます。
