短期記憶と読解力を活用した実験
「短期記憶」は作業記憶(working memory)を指します。心理学者ゲイリー・グロス‑マルナットは、作業記憶を情報を注意深く取り込み、監視し、評価する実行機能を含む構造と説明しています。読書時にはこのシステムが活性化し、情報を脳が処理します。読解や読書理解は作業記憶と注意力を必要とするため、これらを対象にした実験や練習が多数提案されています。
読解力実験(Reading Comprehension)
神経心理学者デイヴィッド・ウェクスラーは学力テストに作業記憶要素が強い読解テストを組み込みました。短い文章(数段落)を読み、内容に関する質問に答える形式です。この手順は、質問作成者と読者を別々にすれば家庭でも簡単に再現でき、短期記憶と読解力の関係を実験的に検証できます。
聴解力実験(Listening Comprehension)
聴解は作業記憶と読解と密接に関わります。実験として、別の人物に短文を声に出して読んでもらい、その内容について質問します。視覚情報が入らないため、視覚追跡に課題がある人にも適した練習です。
文再現実験(Sentence Repetition)
文の再現は受容的(聞く)または表出的(読む)に行え、短期記憶を活性化します。受容的な場合は、長さが異なる文を聞いてそのまま復唱します。表出的な場合は、文を読んだ後にページをめくり、直前に読んだ文を正確に再現します。注意力・処理速度・作業記憶が同時に要求され、挑戦的な練習です。
語彙読み取り実験(Word Reading)
時間制限付きの語彙読み取りは、実行機能(記憶・選択的注意・処理速度)を強く利用します。友人に無作為な単語リストを作成してもらい、行ごとにできるだけ速く音読します。視覚的スキャン、注意のシフト、音韻情報の即時デコードが必要となり、思った以上に高度な作業記憶と注意力を要求します。
