エリク・エリクソンの心理社会的発達段階

エリク・エリクソン(Erik Erikson)は、1950年に刊行した『Childhood and Society』で、人生を通じた8つの心理社会的発達段階を提唱しました。各段階は、個人が直面する課題と、それを乗り越えることで得られる成長を示しています。課題をうまく解決できれば、社会で自信を持って活躍できる人間へと発展します。

1. 乳児期(信頼 vs 不信)

乳児は食事・排泄・身体的接触といった基本的欲求があります。これらが一貫して満たされると、周囲の人々に対する基本的な信頼感が育まれます。逆に欲求が無視され続けると、不信感が形成されます。

2. 幼児期(自律性 vs 恥・疑念)

幼児は自分でできることを増やそうとします。独立への試みが肯定的に受け止められ、失敗が適切に導かれると自尊心が育ちます。過度の抑圧や不合理な要求は、恥や自分の能力への疑念を生む原因となります。

3. 幼稚園期(イニシアティブ vs 罪悪感)

幼稚園児は大人の行動を模倣し、創造的な遊びの中で自ら活動を始めます。イニシアティブが肯定されると目的意識が芽生えますが、過度の罰や批判は罪悪感や抑制につながります。

4. 学童期(勤勉性 vs 劣等感)

学齢期の子どもは新しいスキル習得に挑みます。適切な励ましがあると自信が育ち、逆に否定的な経験が続くと劣等感を抱きやすくなります。

5. 思春期(アイデンティティ vs 役割混乱)

思春期は友人・子ども・学生・労働者など、さまざまな役割を統合し、統一された自己像を形成する時期です。社会的圧力に対し自分の位置を見出せれば確固たるアイデンティティが確立しますが、混乱が続くと自己喪失感に陥ります。

6. 若年成人期(親密性 vs 孤立)

親密性は、愛し合う関係を築く能力です。親密性がうまく発達すれば充実した人間関係が得られますが、未熟なままだと孤立感が強まります。

7. 中年期(生成性 vs 停滞)

生成性は次世代への関心と貢献意識です。社会に価値を提供し、後継者を育てようとする姿勢が見られると充実感が得られます。逆に自己の成果に不満が残ると停滞感が生まれます。

8. 老年期(統合性 vs 絶望)

老年期は人生を振り返る時期です。意味ある人生を送ってきたと感じれば統合性(満足感と受容)が得られますが、達成感が乏しいと絶望や不安が増大します。

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