洪水と沿岸侵食が住宅に与える影響とは
世界人口の約3分の2が沿岸地域に住んでおり、洪水と沿岸侵食の複合リスクは、極端なケースでは町全体を消失させることがあります。比較的穏やかな地域では、建築規制の強化や防潮壁の建設、さらには海岸での建築禁止といった対策が取られています。
洪水
津波やハリケーン、強い嵐による沿岸洪水は、土砂や瓦礫を広げ、侵食を促進し、通常は乾いている土地を水没させます。短期的・長期的に大規模な洪水が発生すると、人的被害や水害、カビの発生、住宅の倒壊など深刻な被害が出ます。最も致命的な洪水は1931年の中国で起き、黄河と長江の氾濫により約400万人が溺死、病死、飢餓で命を落としました。
沿岸侵食
波の力、潮流、降雨、排水、高風などが岩や堆積物を削り取り、堆積物の再配置を引き起こします。短期的・長期的に大規模な侵食が起きると、住宅が損傷したり倒壊したりします。イングランド・デヴォン州のホールサンズでは、掘削によって失われた砂利が原因で、夜間に村全体が流失しました。
建築基準
多くの自治体は、洪水被害を減らすために建築基準を設けています。基準では、耐水性の高い材料の使用や、基準洪水浸水高度に合わせた建築、柱状の高床式構造の導入などが義務付けられます。
防潮壁
防潮壁は侵食から一時的に保護しますが、使用される砂は時間とともに摩耗し、定期的な補修が必要です。また、防潮壁の設置により海岸線への建築が継続できるようになります。
建築禁止
沿岸部での新たな建築を禁止すれば、洪水や侵食による住宅・生命の喪失を防げますが、実際にはほとんど導入されていません。多くの自治体は個人財産権への影響を懸念し、政治的な意思決定が難しいとしています。一部の地域では、土地を取得して公園やオープンスペースに転用することで、住民の受容を得ています。
洪水保険
米国では、沿岸洪水リスクがある住宅所有者に対し、国の洪水保険制度(National Flood Insurance Program)への加入が義務付けられています。
